長靴をはいた侍女

二つ目に紹介する作品は、悩みましたが年功序列ということでこれまた少し古い作品です。

 

2012年の2月6日に第一話が投稿された、霧島まるはさんの「長靴をはいた侍女」です。

これも思い入れのある作品なんですよね。

 

舞台は中世のフランス。雨の日だけ主の手紙を届ける下っ端の侍女ロニと、手紙の届け先である屋敷で執事として働くファウスの話です。

 

タイトルから分かるように、童話『長靴をはいた猫』をモチーフにしているようですね。お恥ずかしながら自分がそれに気づいたのは、初めて読んでからずいぶん経ってからのことだったんですけど(笑)

 

このお話は『雨』がテーマです。

しっとりとした雰囲気の中、雨を通して二人の距離が少しずつ縮まっていく様が、上品で美しい。

あまり直接的な恋愛感情の表現は少ないのですが、それでも、それだからこそ傑作だと感じるんです。

 

初めてこの作品を読んだとき、私は雨の中傘をさしながら読んでいたのですが、そうするとより物語がリアルに感じられて、ファウスの足音が聞こえてくるようでした。

クライマックスではドキドキしすぎて本気で心臓壊れるんじゃないかと思ったぐらいです(笑)

 

なので、もしこれから「長靴をはいた侍女」を読もうと考えている方がいらっしゃいましたら、是非雨の日に読むことをおすすめします!

 

ついでに、作者の霧島まるはさんの投稿者ページも漁ってみてください。

キスの日がテーマのssがあるのですが、それもまたサイコーです!

お月様(ムーンライトノベルズ)の方には「長靴をはいた妻」という後日譚が投稿されているので、気に入っていただけたら是非そちらも見てみてくださいな。