婚約破棄のテンプレまとめてみる

今日は作品紹介ではありません。
ブームは過ぎ去りつつありますが、根強い人気がある婚約破棄ネタのテンプレをまとめてみようと思います。

テンプレとは言いますが、色んな人が色んな風に書いているので、意外と多様性があります。

以下、物語のヒロインをヒロイン、ヒロインの婚約者に愛される可愛らしい少女のことをヒロイン(笑)と表記します。
ややこしいですがご了承下さい。

基本的に物語は、ヒロインの婚約者である王太子の婚約破棄宣言と、ヒロイン(笑)との婚約宣言から始まります。
その隣には可愛らしくプルプル震えて王太子にすがるヒロイン(笑)の姿。
舞台は卒業パーティーであることが多いです。

内輪で話せばお互い傷付かないものを・・・。

ヒロインがヒロイン(笑)をいじめており、次期王妃には相応しくない。また、真の次期王妃となるヒロイン(笑)を害した罪は重いとして、王太子はヒロインに国外追放を言い渡します。

勿論虐め云々は真っ赤な嘘です。

一方ヒロインはそんな虐めなど身に覚えがなく、証拠の提示や動機の説明を要求します。

至極当然の反応ですね。

ヒロイン(笑)には王太子の他にも、宰相の息子や有望な騎士、ヒロインの弟など様々な取り巻きがおり、やれ「ヒロイン(笑)が言っているから本当だ」だとか、「ヒロイン(笑)の方が可愛くて王太子に愛されているから嫉妬したのだろう」だとか言います。

ヒロインが「それでは証拠にならない」とか、「政略結婚なので王太子を愛しているわけではない」と言っても全く聞き入れない彼ら。

この時点で何だかワケワカラナイですね。

ほとほと呆れ返りながらなすすべなく、無理矢理押さえつけられようとする所に現れるのが、本当のヒーロー。
妾腹とかで王太子になれなかった王子だったりします。

よっ!不遇のヒーロー!

突然現れてヒロインを擁護する彼に一同動揺。王太子は何かしら喚きますが、ヒーローは素知らぬ顔でヒロインを支えます。

ヒロイン(笑)はヒーローさえも取り入れようと媚びを売りますが、全く効果はなく、寧ろ冷たくあしらわれます。
追い討ちをかけるように、ヒーローは虐めがヒロインの自作自演であることを、きっちり証拠と共に公表。それでも信じないおバカな取り巻き達。

そこへ一番偉い王様が登場して、ヒロインと王太子の婚約破棄と、ヒロイン(笑)と王太子の婚約を認めます。
それに喜ぶお馬鹿ちゃん達ですが、続く王太子の廃嫡宣言に表情を一辺させます。

合わせて王様はヒロインとヒーロー(不遇の王子)の婚約、またヒーローの立太子を宣言します。

読者的には良いことづくめですね。

その宣言に怒り狂ったヒロイン(笑)は、「こんなはずじゃなかった」とか「私がヒロインなのに」とか言い出して、しまいには「あんたがちゃんと働かないからこうなった」とかヒロインに責任転嫁してヒロインを殺そうとします。

ヒロイン(笑)は乙女ゲームに転生しちゃった感じですね。
ヒロインも転生者で断罪されないように動いている場合と、何も知らない場合の両方があります。

ヒロインの窮地をヒーローがギリギリで守り、ヒロイン(笑)は傷害の容疑で連行。元王太子も幽閉されます。

この辺がいわゆるざまぁってやつですね。

後にヒーローが長くヒロインのことを想っていたことが分かり、めでたしめでたし。大団円です。

取り巻き達がもっと多種多様であったり、実は婚約破棄自体が王太子の願うところではなかったり、王子ではなく王様と結婚したりと色々パターンがありますが、大体こんな所ですかね。
逆ハーエンド後に出てくる不遇の王子くんがヒロイン(笑)の本命だったってパターンもいくつか見ました。

テンプレから派生したギャグ路線の作品を楽しむには、まずテンプレを知っておく必要がありますから。

これからそういった作品を読む方は、是非参考にしてください。